ちゃれの雑談ルーム

はじめての発表会

   
            ライン銀

      花束

        はじめての発表会

   習い始めて1年、先生の涙ぐましい努力で(いえ私も努力しました)
   どうにかソナチネやバッハのインベンションが弾けるようになり、
   はじめての発表会。
   レッスンの時は厳しい先生、普段は気弱で、
   「大人だから」と発表会の曲にショパンのワルツを・・・
   「アントルモンとルービンシュタインの中間位で、弾いたら」と
   レコードをかけてくださる。

   ショパンが弾けるようになった!
   私は有頂天になり、猛練習。
   いつも頭のなかにショパンがなってるほど、猛練習をして、
   なんとか仕上がり、はじめての発表会に登場。

   弾き始めようとすると、前の方の客席から、
   「あ 先生だ!」
   子供たちにまじって大人は私ひとり、先生と思われたらしい。

   その声を聞いたとたん身体中の血が頭にあがってしまい、
   ブーニンそこのけの猛スピードで、弾き終えました。
   もちろん上滑り、何の曲やら。
   ショパンがお墓から出てきそうな、おーこわ。

   その時以来あがりぐせがつき、
   未だに私は、人前で上がらずに弾けたことはありません。


           ライン銀
  


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